徒歩で行く南房総の楽しみ方|館山

翌朝早めに目が覚めたので、付近を散歩。昨日は自転車で通ったフラワーライン。早朝は車が少ない。

そもそも千葉県は車で観光するところらしく、自転車で房総を回ろう的な広告もあってレンタルしてみたが、決して快適にサイクリングできるわけではない。ウォーキングする人がいると、自転車とのすれ違いに気を使う狭さ。歩道も片側のみで、信号のない国道はどの車もハイスピードで走り抜けるため、横断にはかなり気を使う。

菜の花は先週・先々週あたりが見頃だったようで、花が終わった場所はすでに撤収作業が行われていた。これが狭い歩道をさらに狭めるので、通る方は気が気でない。撤去作業は女性3名だけで粛々と進められていた。

散歩の後は朝ご飯が待ち遠しい。ホテルの朝食はワンプレートスタイル。スープはクラムチャウダーとミネストローネ風から選べる。

豆腐はずっしりと食べ応えのある食感。オリーブオイルかハーブソルトで。バーニャカウダソースで食べる野菜も新鮮。人参は甘かった。

ホテルで焼く自家製パン。隠れて見えないが、シナモンブレッドが最高。左から、スコーン・クロワッサン・バターブレッド。3種類のジャムは未開封。パンとジャムは持ち帰り推奨で、食後に手提げを持ってきてくれる。昼ごはんゲット。

最後はヨーグルト。いちごとパイナップル、あと寒天らしきものはパンナコッタだろうか。コーヒーまで飲むとお腹いっぱい。

思いの外朝からお腹いっぱいで動けず、そのままチェックアウトまでゆったり。チェックアウトを済ませた後は、ホテルの人に車で安房神社はまで送ってもらう。

安房神社はまず目を引くのが白い鳥居。車を降りてからよく見ると、神明鳥居という種類らしい。一番上にある横棒・笠木が丸い。左右は桜並木。低く仕立ててあり、満開の時期は桜のトンネルをくぐって参拝。

なんだか立派な社務所。どうも歴史がありそうな匂いがする。

社務所の立派さに比べ、拝殿は新しいのか古いのかよくわからない。柱は立派で中も重厚なのに、壁はコンクリート製に見える。気になって横から本殿をのぞいて見ると、神明造の古そうな社殿が見えた。やはり歴史はあるらしい。

隣接する摂社も立派。

安房神社に隣接する野鳥の森は入場無料なので、散歩がてら寄ってみた。今朝、ホテルの近所の雑木林で盛んにウグイスが鳴いていたので、きっとたくさん野鳥がいるのだろうと期待。実際は割と本格的なトレッキングコース。序盤から急な坂が登場し、早々にギブアップ。さっき受付に預けたばかりに荷物を回収し、庭でお昼ご飯。

なんとかたどり着いた「富士見展望台」からみた、館山の風景。海岸線は全て護岸されているように見える。海岸線から陸へベージュに広がるのは、全て雑木林。グリーンに見えるところは、松の密度が高いところ。それ以外は多分葦が鬱蒼と生えている。

左方向にある漁村は、洋画家の青木繁が好んで描いた場所らしい。「画家が愛した漁村のみち」という看板をいたるところで見かけた。散歩コースになっているらしい。今度来た時は歩いてみたい。

今回泊まったのは「オーベルジュ オーパヴィラージュ」というホテル。創業から37年というのでそれなりに古くなった部分も見受けられるが、全体的に非常に清潔で、手入れも行き届いており新しい施設のように快適。

泊まった2階の部屋から見た景色。ちょうどホテルの入り口付近の部屋だった。赤いビニールの屋根が昭和っぽい。ところどころこういった昭和感を感じるアイテムに遭遇するが、噴水を見てもわかるようにゴミひとつない。強風で落ち葉やらいろいろ飛んでくると思われるが、滞在中入り口を含め敷地内でゴミを見た記憶がない。

ホテルの庭にハート型のプール。6月から9月中旬まで使えるらしい。左手奥に見えるオレンジの屋根は、貸切の露天風呂。ここだけ入湯税がかかります。自己申告制。外を歩かねばならず、今回は強風と寒さのため断念。

建物は全て2階建。いくつかの建物に分かれて建っている。それぞれの棟に貸切風呂があり、こちらは温泉ぢゃないので無税。昼12時から翌朝10時まで、深夜も入り放題。

泊まった部屋はツインだったが、やたら広くベッドルームとリビングルームといった雰囲気。もちろん部屋にもお風呂があるので、面倒なときは部屋で全て済ませられる。タオルはフロント前から取り放題なので、何回風呂に入ってもOK。写真でいうと、2階の窓2つ分が1部屋。

下の階には図書室や娯楽室など。大抵は放置されてしまうか、古くなった付近のガイドブックしか置いてない印象の図書室だが、ここは比較的新しい小説もあり、ガーデニングの本やアロマテラピーまで、色々な本が置いてあって快適。ソファも座り心地よく、のんびりと本を読んだり、写真集を眺めたりできる。

娯楽室には外国っぽいサッカーゲームやらが置いてあった。インターネットスペースもあったが、部屋に無料のWi-Fiがあるのでそれで十分。他の棟には漫画ライブラリーもあった。図書室も漫画ライブラリーも持ち出し可能なので、部屋に持ち帰ってゴロゴロしながら読める。

ホテルの裏にあるポタジェは休耕中。左右に見えるのが見晴らし台。テーブル付きのベンチがあり、風がなければ日当たりも良いので、読書するにも良さそう。ポタジェの手前の土手にも見晴らし台。混雑するシーズンでも、適度な距離を保ってゆったりできるような配慮が見られる。

8割は車で来るようだが、お願いすればホテルのスタッフが送迎してくれるので、運転はするけどわざわざ電車で来る人もいるとか。館山までの迎えは12時15分、館山への送りは10時45分だけだが、付近のスポットへは都合が合えばいつでも対応。こちらから頼みづらくても、向こうから声をかけてくれるのが嬉しい。

OPA STYLE 〜自由な時間、自遊なヴァカンス〜

車で来れば房総半島をめぐって観光もできるが、電車組は見るところが限られてしまう。エリア内に3箇所あるレンタサイクルの拠点は、電動自転車がメインなのが嬉しいが、拠点へ返却することが前提なので、戻ることを考えると、それほど遠出もできない。

不便だなと思ったけど、徒歩でも散歩好きなら十分楽しめる。「画家の愛した漁村のみち」は、全ルートを回ると約95分だとか。それぞれのスポットが10分以上離れていないので、割と楽しみながら歩けそうな印象。ちなみに「南房総花海街道」はこのほかにも10コースあるらしい。サイクリング用のコースも設定されてた。ロードバイク用のコースが別に紹介されているので、レンタサイクルで回れるコースみたい。この辺はガイドブックに載っていないので、事前にネットで情報収集が必要。
南房総花海街道
ロードバイク・コースガイド

帰りは15時台の横浜行きを想定していたが、野鳥の森の「ファミリーハイキングコース(約90分)」を、15分でリタイアしたため、館山駅で1時間半の時間調整。ぼーっと駅前を眺めていてふと「1時間半待つなら、電車に乗れば同じくらいで帰れるんぢゃ?」すかさずYahoo!乗り換え案内にお伺い。

「JR高速バス房総なのはな号に乗るべし」

と衝撃のご託宣。横浜〜館山間は京急が日東バスに乗り入れ、東京〜館山間はJRの管轄。なのはな号なら、なんと15分後に出発予定。東京〜武蔵小杉間は横須賀線で20分。横浜から帰るのとほぼ同じ。

高速バスのスキルも習得したので、次行く時はもう少しタイトに時間設定できそう。トータルの滞在時間は短かったが、満足度はかなり高かった。できることなら毎月リフレッシュしに行きたい。