13回忌

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あれからもう12年も経ったんだな。
もう一区切りだ。


あの日。目は覚めたけど暗くて何も見えなかった。
電気は点かなかった。
外が騒々しいので窓を開けると目の前の駐車場の車に人が居てラジオを聞いてた。
街灯も全ての明かりが消えていて何も見えなかった。
明るくなって改めて外を見て愕然。
斜め前の家が無い。
方々で煙が立ち上っている。
バス停までの道が無い。
慌てて友達に連絡をする。
幸いかけるのもかかるも平気だった。
繋がる限りの友達は皆無事だった。
友達が『実家の京都の方面は平気みたいだ。今から原付で帰ろうと思う。』と、近所の避難場所を調べて来てくれた。
それから京都の友達に連絡を取る。
『来れるならいつでもおいで。』と言ってくれた。
必要な荷物と着替えとを最小限用意して背中に背負って、連絡のつかなかった友達の家を廻りながら非難することにした。
記憶とは様変わりした道をなんとか『この辺だった筈。』と、探しながら辿り着いた友達の家には行けなかった。
車2台は並んで通れる筈のその道は、友達の家の2つ手前の家の二階があった。
友達の家が崩れていないことを確認して無事を祈って後にする。
国道を東へ向かってもう歩道ではなくなった歩道を歩く。
途中、国道沿いにある友達の家付近では大きく炎が吹き出していた。
友達の家は見えなかった。
途中歩道が無くなってやむなく見知らぬ人の住んでいた家の瓦礫の上を越えた。
辺りが暗くなって街灯1つ無い中を車道を埋め尽くす車の灯りに照らされた歩いた。
自衛隊の大きな車が止まっていた。
周りを自衛官が何かの準備をせわしなくしていた。
ひとりが『どこまで行くんだ?』と聞いて来た。
『この先で陸橋が落ちて通れなくなっているから気をつけて。』と教えてくれた。
『あぁ、こういう時に彼らは活躍するんだ。』と、何となく思いながら通り過ぎた。
夜なのに明るい空は電気ではなく炎だった。
町の灯りを見てほっとした。
もしかしたら夢なのかと思った。
友達が迎えに来てくれた。
もう過去のことだけれどもきっとこれらかもこの日になると思い出すだろう。


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