QED 河童伝説/高田崇史

QED 河童伝説 (講談社文庫)
薬剤師桑原崇のシリーズ第13弾。
『カッパ』にまつわる殺人事件の真相とは。


シリーズに共通して出て来る『妖怪』や『神話』の説話・物語。
その裏にある人間臭い裏話。
それに絡むように同じく『人間臭い』事件。
マジョリティの作り出した歴史の中に確かに存在したマイノリティ達は今の世にも間違いなく存在する。
それは姿形を変えても『妖怪』であり『神・仏』なのかもしれない。
シリーズ当初に比べて主人公桑原崇自身が謎を解くことは無くなって来ているが、彼が語る『妖怪』や『神話』の裏にあるであろう物語は、現在進行しつつある事件の背景とシンクロし最後にはミステリーとはまた別の感慨を読者に与える。
故事の裏話を説いているようで、実は事件そのものの謎解きをしているのかも知れない。


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