
上海に行きたかった理由の一つが古い街並み。清国時代に英国をはじめ、外国人が入って出来た街並みが、現在でもほぼそのままでノスタルジックな雰囲気。1990年代から急速に発展した浦東地区の高層ビル群と、アンティークな建造物が共存する不思議な風景が特徴的。

だいぶ前に、浦東地区の高層ビル群が、上海のノスタルジックな町並みを脅かすみたいな記事を読んだ記憶と、最近になってGoogleマップで見た上海が、東京など比べ物にならないくらい、たくさんの緑に囲まれた都市だったことが、上海を見てみたいと思った理由。
東京は大きな公園が多く、緑も多いと思っていたけど、Googleマップで見た上海はそれを遥かに凌ぐ緑の多さ。東京のそれとの大きな違いは、道路に沿って並んでいる街路樹が多いこと(写真1枚目)。ほぼ全ての道路が緑で覆われていることが、Googleマップから見て取れる。

人口が増加すれば当然交通量も増えるし、それに従って道路も拡張せざるを得ないと思うんだけど、街路樹はどれもお大きく枝を伸ばし、道路を覆うようにアーチを描いて生えている。上海ではヨーロッパのように、道路を拡張することではなく、一方通行にすることで拡張せずに、交通量の増加を解消したようだ。
それによって古い建物も壊されることなく、現在でもその姿のまま使用されて残っているということらしい。新しく建てた建造物も、古い町並みに調和するように、レンガなどを使ったアンティーク風なデザインが採用されている。

Airbnbを利用して予約した部屋(写真3枚目)は、そうした古い建物をリノベーションした住まい。見た目はアンティークなのに、中は床暖房まで入っていて快適そのもの。Airbnbではこうしたリノベーションを施した部屋が、本当にたくさんあってどれも快適そうだった。
泊まった部屋のある建物を出て、通りを渡るとレンガ造りの建物が並ぶ一画(写真2枚目)。泊まったところより、さらに古い建物があるエリアらしい。どれも現役で使われていて、1階の通りに面した部屋では、床屋さんや服のリフォーム店、カフェなどもあった。

上海に到着した日に行った外灘エリアは、イギリス租界時代の大きな建造物が、ずらっと並んでいる人気の観光スポット。夜はライトアップされて、格好のインスタスポットらしく、大勢の観光客がスマートフォン片手に写真を撮ってた。オールド上海風の貸衣装で、プロのカメラマンに記念写真を撮ってもらうのが、中国人の観光客に流行っているとか。海外からの観光客だけでなく、国内からの観光客にも人気のスポットらしい。
田子坊(tianzifang)は古い建物を利用した、雑貨やアクセサリーのお店が集まる原宿的なエリア。クリエイター系なアイテムが多く、オリジナリティに溢れる商品がたくさん見つかるのが特徴。カフェなどの飲食店も多いので、買い物と食事の両方を済ませられ、時間を節約できるのも観光客にとっては利点。

ガイドブックに載ってたお茶屋さんで買うか迷ってたら、上海在住の日本人が店に入ってきて、「この店は大丈夫。」と太鼓判を押してくれた。いつもお茶はここで買っているらしく、入ってくると早々にお茶の用意がされて、上顧客の扱いを受けてた。お茶を買いに来たら、ゆっくりとお茶をしてから帰るのも習慣らしい。ガイドブックにも載ってたお茶の専門街は、怪しいお店も多いから注意が必要と教えてくれた。来たばかりの頃に、実際に騙されたと言っていた。
このお店も外観はアンティーク(というよりヴィンテージ)だが、中は綺麗にリノベーションされていて、青山辺りにあってもおかしくないような、洗練されたデザインの内装だった。でも緑茶等の僕には、ジャスミンの入った緑茶はあまり馴染めなく、いろいろ味見させてもらった結果、鉄観音茶を購入することにした。

東京大空襲でほとんど焼けてしまった背景もあるので、一概に東京都上海をくれべることはできないけど、都市開発に対する基本的な姿勢に、やっぱり違いがあると思う。最近では多少リノベーションの機運も高まっているけど、まだまだ古い建物を再利用する感覚が、日本の都市を見ているとかけているように感じる。
特に街路樹なんかは大きく茂ったほうが夏は日除けになって、都市の気温を下げるのにも一役買うと思うけど、落ち葉の清掃費用が嵩むと言う理由で、あまり大きくならないように伐採してしまうことがほとんど。時には街路樹を抜いてしまうところもあるとか。戦後70年になるのだから、単純に樹齢70年相当の街路樹が育っても不思議ではないのに、まだまだ表参道にあるような大きな街路樹のある並木は少ない。
上海の平均家賃は45平米で8.5万円と、東京の平均家賃とさほど変わらないらしいが、中心部の家賃は同じ条件で24万円、東京では20万円なので上海のが高いとか。上海は東京よりも大都会ということか。







