書架の探偵

タイトルはミステリっぽいけどハヤカワのSFの方。図書館の書架でタイトルに惹かれて借りてみた。

海外作品は回りくどくて読みにくいことが多いので苦手だが、これもやたら冗長で読みにくかった。舞台設定がSFだけど内容は概ねミステリ。

「ダウントン・アビー」のような大邸宅にそんな感じの衣装をまとった登場人物。空中に浮かぶ「スクリーン」と呼ばれるテレビ電話のような通信手段や、空中を移動する車なんかのSF的要素が散りばめられた世界。読んでる間ずっと思い浮かんでいたイメージは、ミステリなだけに「アガサ・クリスティ」のイギリス的な風景。

主人公がクローンという設定もSF的。昔活躍した推理小説作家の記憶を移植されたクローンで、図書館が本と同じように所蔵しているという設定。利用者が貸し出しカードで自由に館外へ持ち出せる仕組みで、主人公もある謎解きのために裕福な女性に駆り出されるという場面が物語の冒頭。

ミステリなんだけど貧富の格差やクローンの人権など、社会問題の提起のような部分もところどころに見受けられる。本筋には全く関係ないけど。

個人的には割と冒頭で犯人に目星がついてしまい、あとはそれを検証するだけだったんだけど、思いがけない展開に後半までなかなか確信を持てなかった。最後の謎解きがまたまどろっこしくて、「期待したほど面白くはなかったな。」という感想。

読み終わってからNetflixの「アリサ・ヒューマノイド」観たくなった。きっとそっちのが面白いはず。こっちはAIだけど。

アリサ、ヒューマノイド(英題:Better than Us) | ホームシアターと映画で「家キネマ。」
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