弧宿の人/宮部みゆき

孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)
孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)
金比羅詣での途中の港町のある丸海藩に一人置き去りにされた9歳のほう。引き取られた医者の井上家で一人娘の琴江が殺されてしまう。阿呆の「ほう」と名付けられた彼女が見たものは・・・・

宮部みゆきを読むのは久しぶり。しかも以前は現代の話しか読んだことが無かったので、彼女の書く時代小説は初めて。思っていたより会談じみたりミステリーじみたりする部分は無く、主人公ほうを軸にそれぞれの視点から丸海藩に渦巻く陰謀を描写した時代小説。
何も判らない「ほう」はいつかすべてを理解するのか。それとも読み書きや計算が出来て一人前になってもそのままの心を持って成長するのか。つい、読み終わってからもそんな想像をしてしまう、じんわりとした余韻を残す小説でした。


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