特等添乗員αの難事件5/松岡圭祐

特等添乗員αの難事件 V:5 (角川文庫)
特等添乗員の名前を持つ浅倉絢奈と婚約者の壱条那沖の2人は新居を探して武蔵小杉を訪れる。そこで高級車を狙った車泥棒が頻発していることを知り2人でその犯人の逮捕に貢献する。ところがその背後には巨大なシンジケートが控えていて・・・・

もはや感動すら覚えない展開。まるで「頭の体操/多湖輝」的ななぞなぞを読んでるみたいで、ミステリーに不可欠な謎解きの楽しさを感じることが出来ない。そういった意味では「頭の体操」のがはるかに楽しい。
毎回毎回「水平思考=狡猾な思考」と繰り返し繰り返し刷り込む様に出て来るけどどういった意図で書いてるのか疑問。

この作品のずるいのは「風向計を指差す」けれど風向計の向きは記述されていないが「風向きが逆」と指摘したり、記述の無い証拠「カモメの足跡が反対」「レジャーシートのめくれている向き」「風で飛んで来た砂の溜まっている方向」などでウソや真実を見抜く点。
ミステリーって「こうかな?」と思った推察に出て来た証拠が合致して行くか検証したりするのも楽しみのひとつだと思うんだけど、これにはそれが無いので「ふーん。その通りだね」で終わってしまう。しかもそれほど驚かされる展開が無い。結末も見えていた通りだったので若干消化不良。

もしかしてこの分だと万能鑑定士シリーズも対したこと無いのか?


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