プリデスティネーション(2015)

プリデスティネーション ブルーレイ&DVD セット (初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]

Predestination (2014)

タイムマシーンを使って犯罪を阻止する特別捜査官の話。まさかこう来るとは予想してなかった。潔いラストで短くまとまってるのも好み。どこが物語の始まりかわかった人はご一報ください。どう考えてもやっぱりわからない。

監督:マイケル・スピーリッヒ/ピーター・スピーリッヒ
出演:イーサン・ホーク/サラ・スヌーク/ノア・テイラー

脇役はともかくとして、主人公はたった一人という見事な設定。これに気付けるかどうかがポイント。爆弾魔の事件がなかなか進展しないなと思っていたら、そういう結末だったのかという意外な展開。「あとは勝手に想像してね♡」的な結末はちょっと後味の悪さを感じるかも。

タイムマシンが出てきたのでSFだなと見始めると、途中から少女の生い立ちに話が変わって、あれ?と思うけどこれも後半に必ず必要な伏線。長々話を聞いていたイーサン・ホークはそもそも全ての話を知ってるという。スッゲー人生だなと思うけど、驚くのはまだ早い。この先の人生のほうがもっと驚きだから。

ロバートソンが任務について説明した「過去の犯罪の再構成」というのがキーワードかな。ジョンはそれまでに起きた自分の人生を覚えているわけだから、その先を知らなかった1975年のジョンがどうもスタート地点。1980年に発明されたタイムマシンで誰かがジョンに任務を与えて過去へジャンプしたと考えられる。1980年のロバートソンたちはすでに起きた爆弾魔の事件を知っているから、誰が犯人かもわかっていた上でジョンにタイムマシンを与えたことになる。任務終了時に手渡した書類には、爆弾魔が現れる場所を推察する資料が添付されていたことからも、犯人の目星がついていたのが推察できる。もしかしたらジョンが元の時代(1975年)に戻った時にエラーを起こしたタイムマシンが、1980年に発見されたというのが真実なのかも。とすると、爆弾魔になったジョンはどれくらい後のジョンなんだろう。爆弾魔になったジョンは「起きた事件」を防ぐためにタイムマシンを使ったので、二つの歴史が存在することになるよね。タイムマシンの発明されたロバートソンのいる歴史では爆弾魔の事件が起きていて、1975年に戻ったジョンから爆弾魔になるまでのジョンの歴史には事件が起きてないはずだもんね。この矛盾を知っててラストシーンを描かなかったに違いない。堂々巡りだ。